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『凛』制作背景

Shaer
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京都で学んだ、300年続くものづくりの話

CD『凛』は、単なる音楽作品ではありません。

以前から私は、音楽と香りを組み合わせて、記憶に残る作品を作りたいと考えていました。

音は耳から届き、香りは記憶を呼び起こす。

その二つが重なった時、ただ聴くだけではない、心に残る体験を届けられるのではないか。

そんな思いから生まれたのが『凛』です。

今回の『凛』には、香老舗・松栄堂様のお香を添えてお届けします。

この度、京都を訪れ、松栄堂様でお話を伺う機会をいただきました。

お香のお話を伺う中で、香りそのものの魅力はもちろん、その背景にある文化や歴史にも強く惹かれました。

特に印象的だったのは、お香の原材料となる香木のお話です。

香木は日本では採れません。

中国やインドネシアをはじめとするアジア各国から運ばれてきたものです。

300年以上の歴史を持つ企業と聞くと、日本の伝統を守り続けてきた会社なのだろうという印象を持っていました。

しかし実際には、海外との交易なくして香文化は成立しなかったということを知りました。

鎖国の時代もあった日本で、遠く海を越えて香木を求め続ける。

どれほどの苦労や工夫があったのだろう。

その話を聞きながら、私は伝統とは何かを改めて考えました。

伝統とは、昔のまま変わらないことではない。

本当に大切なものを守るために、時代に合わせて工夫し続けることなのではないか。

文化を守り伝えるということは、頑なに守るだけではなく、しなやかに時代と共に生きること。

そんなふうに感じた時、私は自分自身のハンドベルへの取り組みを思い浮かべました。

私はハンドベル界では少し珍しい活動をしているのかもしれません。

ソロ演奏に挑戦し、オリジナルハンドベル「プロローグ」の開発に取り組み、ふるさと納税の返礼品やハンドベル体験を企画し、世界的な視点でハンドベルという楽器と向き合う。

伝統を重んじる方たちからは、時には「ハンドベルらしくない」と思われることもあるかもしれません。

けれど、その根底にある思いは一つです。

ハンドベルという素晴らしい楽器を、次の時代へつなげたい。

もっと多くの方にその魅力を届けたい。

そのために必要な工夫なら、恐れず挑戦していきたい。

ハンドベルはもともと教会の鐘をルーツとし、キリスト教文化とともに世界へ広がっていった楽器です。

長い歴史の中で、宗教や文化、国境を越え、多くの人々に受け継がれてきました。

今回の『凛』では、そのイングリッシュハンドベルの音色で、日本のうたや風景を表現することに挑戦しました。

『さくらさくら』、『朧月夜』、『浜辺の歌』。

異国で生まれた楽器でありながら、ハンドベルの響きは驚くほど日本の旋律に寄り添います。

『凛』には、日本の原風景や季節の移ろい、そして日本人の心の奥にある記憶を音で描きたいという思いを込めました。

一枚のCDを作ることが目的ではありません。

忙しい日々の中でふと立ち止まり、音に耳を傾ける時間。

お香の香りとともに、懐かしい風景や大切な記憶を思い出す時間。

そんなひとときを届けられたらと思っています。

この作品には、日本のうた、日本の風景、そして日本の文化への敬意が込められています。

音と香りが重なったとき、皆さまの記憶の中にある大切な風景が、そっとよみがえりますように。


ハンドベルソロCD『凛』7月7日ご予約受付スタート

音と香りで紡ぐ、日本の原風景。限定100セットにてお届けいたします。🌸

たくさんの人に届けることよりも、

誰かの大切な一枚になることを願って作りました。

世界のどこかにいる100人の方へ。

音と香りとともに、この作品をお届けできたら幸せです。  

MI-KO 藤田美千子

撮影:フォトグラファーひの和江   書:Saeko デザイン:奏音楽企画

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